昨日のことなのに
もう思い出せない。
すぐにメモアプリを開いて
走り書きしておけばよかったが
それも後の祭りだ。
浮かんだ言葉はもうどこかに
行ってしまって、残り香のように
気配だけが自分の中に残っている。
たしか自分の苦手なことに関する
内容だったと思うが、果たして
どの部分のことだったのか、そして
どの体験でそれが呼び起こされたのか
もはや形を捉えることすらままならない。
大抵、その瞬間に思ったり考えたり
していることは自分にとって重要な
意味を持っていることに「後から」
気付かせてくれる。そうでなければ
今こうして小さな後悔はしていない。
* * *
自戒のために今この文章を書いている。
いわば明日の自分への申し送りである。
この小さな後悔が、今日という日に
存在していた事実と、それを感じて
やっちまったなと思っている自分と。