久々にワインを流し込んだからか
指の末端がじんわりあたたかい。
傘をさすまでもない雨のなか
取るに足らないことが頭の中を
ぐるぐると巡っている。
SNSが当たり前になったことで知らなくていいことすら目に入ることが増えた。
何ができるわけでもないのに、当事者意識を否が応でも煽られているような気がして
無力感ばかり残ってしまう。
私たちは世界と繋がっていることで恩恵を得ているけども、繋がりすぎているが故に自分の足元すらろくに見ることができないでいる。
足りないものばかりが目についたり
自分の身の丈を超えた存在に明確な
理由もなしに憧れたりしている。
以前に自分も、憧れや理想に踊らされて
気づいた頃には後にひけなくなって苦しい思いをしたことがある。だから、そういった類の情報は最初から知らないでいたほうが幸せだったんじゃないかと思わずにいられない。(知ることが悪いわけではないけど)
世界の広さで救われるひともいれば
その広さで路頭に迷うひともいる。
会ったことも話したこともないひとの暮らしや考えかた。それを勝手に覗き見ているのは自分なのに、勝手に苦しくなっているこの状態は一体なんの茶番なんだろうか。
そんな状態は今すぐ抜け出して、自分のために時間と労力を割いたほうがよっぽど健全だ。
もっと自分のことで忙しくなっていい。
もっとひたむきに、自分のために生きることを優先していい。
今ここにない「幸せらしきもの」を追い求めるより
今ここにあるものの中に「自分だけの幸せ」を見出せるかどうか。