みんな言っていることはだいたい一緒。
でもどんな言葉で、誰が語っているのか。
そして、いつその場面に出会ったかで、
自分が受け止められるかどうかが変わる。
経験は人それぞれ違うとしても
行き着く思考は同じかもしれない。
人の話を聞いていて「なんかよく分からない」と思っていても、違う人が話すと「なるほどな」と理解できてしまった、みたいな経験ありませんか?
それは自分が持っている言葉の世界と、相手の持っている言葉の世界が近かった場合に起こる。「なんか気が合うな」と思ったら話が弾むように、例えば無数の書籍の中から自分に合う言葉を使った本というのはどこかに必ずあって、書店に行くとその出会いを求めて何時間も書棚を行ったり来たりする。
本を通して仲間を探し、コミュニケーションを望んでいる。本(=誰か)もまた、伝わる相手(=読者)を待っている。
言葉で思考する私たちは、言葉を通して他者と出逢うのだと思う。