考える日々

a Contemplative days

「お得」の価値は一瞬で終わる

 

年末年始のシーズンがぬるっと終わりを告げ、今度はバレンタインやホワイトデーの時期がやってくる。ビジネス的にはまさに「売りどき」が続く。しかしながら仕事も始まってしばらく経ち、日常に戻りつつある凪のようなこの時期は、福袋や売り出し品、ご挨拶の品を購入した年始の流れもあってか財布のヒモは固くなる。販売業を普段しているからか、その雰囲気をひしひしと感じている。

 

年末商戦、バレンタイン、ホワイトデー、新春セール...

毎月何かしらのセールが行われ、経済が回っている。今しかないと、ここぞとばかりに買う、買う、買う。意図しないうちに、誰が決めたかもわからないお得という価値にまんまと乗せられて、気づけばモノに溢れている...


改めて考えると非常に怖い。
自分が価値を感じているのか、それとも価値があると“感じさせられているのか”、どちらだろう。

自分の中にある明確な基準に則って購入するか否かを決められたらいいなと思う。

 

最近8年ぶりにノートPCを新調したのだが、購入を決意するのに3年ほどかかった。
購入する明確な理由とタイミングをずっと探っていた。客観的に見ればなんでそんなに時間かけるの?と思われるかもしれない。「ノートPC  買い替え 時期」とか「ノートPC おすすめ」とかで検索すれば大体の人が答えらしきことを書き記している。
ただしそれはあくまで参考程度に見るだけ。それが自分の中の理由にはならない。他ならぬ自分にとっての論理、理由が必要だった。自分の言葉で理由を認識した上で買う。見つからなければどんなに欲しいものでも買わない。買ったとしてもいい買い物にはならない。

自分も業界的に「お得」をうたうわけだが、一個人としては「しんどいよな」と思う。みんな必要なぶんだけ買えばいいじゃん、と。押し売りする気もないし、そもそも押し売り気味にお得をうたう商品ってそもそもどうなん?と思っている。商品自体にしっかり魅力があれば、定価であっても価値を感じてもらえる。

 

安売り品を買って「お得に買えた、ラッキー」と思えるのは一瞬だけで、商品それ自体の満足度にはあまり関係がないように思う。定価であっても買いたいと思えるものかどうか。まずそこが重要な気がする。定価で買っても後悔しないのが一番いい。